(2024-07-02) 麻酔外科学会参加レポート
(個人的なテーマ)キーボード打ちからの脱却
6/22-23, さいたま市大宮ソニックシティで行われた麻酔外科学会の参加レポートです。今回はフクダ・エム・イー工業さん、コデンさんにてMacが展示されました。
FME社製品連携のデモ
映像のまま取り込んでDICOM変換、最後は文字にするワークフローを提案しています。
設定を一工夫したOBSとmacOS Venturaのおかげでデータのハンドリングがかなり楽になっています!
生体モニタAM130からの映像取り込み
OBSに生体モニタAM130からの映像を取り込み、DICOMに変換するデモ
心電計D800も同様に映像出力を接続し、動画で検査を一通り録画します。
macの文字認識がすごすぎる
左は映像として取り込んだ心電計の画像。右はJoplinというカルテ用アプリにコピーアンドペーストされた文字認識結果。これは全自動ではなく、画像をプレビューという標準のアプリで開くと数秒で文字認識がされているというものです。しかも精度がかなり高い。
↓画像なのに、マウスで範囲指定すると文字を拾っているのがわかります。
上記、どちらもWindows用にソフトウェアが提供されていますがMac版はありませんでした。
しかし、2022年の秋に登場したmacOS Venturaでは文字認識機能が使えるため、このまま電子カルテにコピー・アンド・ペーストできますよ!
DR装置も小ネタがあります(MWM対応のデモ)
DR装置FXRDは当然DICOMネットワーク接続ですが、DRとして画像が送れることは当然として、こちらは標準で、以前から当社が開発を進めているワークリストに対応。患者IDを手で入力することなく検査に入ることができます。電子帳簿保存法の改正に伴い、e文書法の遵守も求められる中、ワークリストの活用はIDの入力は以前よりもずっと重要になってきています。
血圧計 BP200D
血圧計BP200Dは映像出力がないので、タブレットカメラpriXm cam(標準機能)を使って液晶画面を撮影するとそのままDICOMに変換してファイリングされます。つまり、
iPadやSurfaceなどのタブレットカメラを用いて画面をそのまま撮影。もはやカッコ悪いのではなく、実は最先端です!! AIの変革を感じますねえ。
上はiPad撮って出しの画像。
こちらも文字認識してみると、以下のような感じになります。もちろん、画像のままファイリングで結構なんですが、文字も拾えるということです。
紙カルテ2.0を公開
「はあ?紙カルテの何が面白いの?」と言われそうですが、、、
診療録がe文書法の対象として具体化してこない中、電子帳簿保存法が改正されて医療行為と会計に至るまでのトレーサビリティの必要性は待ったなしの状況です。いまさらクラウドだなんだってやってる時間もないので、うちはめぐりめぐって紙カルテを提案。電子カルテも否定はしませんが当社としては、もうこの業界でまともな電子カルテの時代はしばらく来ないと割り切り、QRコードを最大限に活用した紙カルテを考えてみました。
ポイントは小学生でもカルテのフォーマットを作れることにあります!
いわゆるブロック型プログラミング(旧い人間はRADツールと呼びます)で伝票が作成でき、ここにQRコードを入れることができます。
QRコードには患者のIDが入っていますので、スキャナで認識すると自動的に仕分けてDICOM画像としてOsiriXに取り込まれる、という流れになります。
つまり、
紙カルテそのものはどこかにしまう前提なので、シャープペンやフリクションを使って書いてもいいのです。
電子帳簿保存法上、紙もDICOM画像も、どちらも有効。そして、紙カルテそのものがバックアップとして機能する上、カルテ屋さんが倒産・撤退・解散しても関係ない!
※今回展示はできませんでしたが、数値で出てくる血液検査装置は、Joplinを使ってデータ通信で処理します。こちらもオープンフォーマットですのでデータが手の届かないところに行く心配はありません。
大規模化するネットワーク、どう支えるか
実は今年最大のテーマは画像の数です。数年前から超音波診断が大量の画像を容易に吐き出すようになり、中堅病院でも数百万枚の画像を当たり前のように管理しなければならなくなりました。これが、なんと、人の病院よりもはるかに速いスピードで増加しています。
Cアームの動画対応もかなり大変で、もはやCTのリコン(再構成画像)の量が可愛く感じられる位です。
ネットワーク全体を俯瞰するダッシュボード
そんな状況でもシステム投資を最小限に抑えたいと思いますので、大容量サーバーなんて事は考えません。OsiriXのフリート(艦隊)による連携です。競合他社さんには相当バカにされているみたいですが・・・。macの方がサーバー機より高性能ですよ。どう考えます?
こちらはあまり関心を引かなかったようですが、病院でネットワークの全体像がわかるようにする画面を作成してみました。
ディスクの容量がどのくらい残っているかなどは本来自分たちで管理するべき問題ですので、それを少しでも楽に行えるように工夫と改善を続けています。なお、これも一捻り入っていて、この画面は病院側でカスタマイズできます。
総論
以上のようにDICOMモダリティ以外の映像資源の管理と大容量化に対して一定の対策を提案しました。さらに病院側でやれることを増やすためにコンピューティングの敷居を大きく下げていくことに力を入れていく所存です。
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